アナリストを中心に大本命と言われていたiPhone XRですが、いざ販売を開始してみたら思いの外の販売不振によって増産が中止されたと日経新聞で報じられていました。
iPhone XRの増産を中止の代わりに、先代モデルとなった「iPhone 8/Plus」の増産を行っているとのことです。
iPhone XS/XS Max/XRの発表時にiPhone 8の価格も下げられたので、新機種との単純比較も難しいですが、価格帯としてはiPhone XRが一番近く競合した結果負けてしまったというのが濃厚なような気がします。
iPhone 5cに続き、黒歴史化しそうな気配のあるそんな「iPhone XR」ですが「iPhone 8」と比べてどんなものなのか比較してみました。
iPhone XR、iPhone 8の比較
前提としてApple公式で購入可能なSIMフリー機での比較となります。
項目 | iPhone XR | iPhone 8 | iPhone 8 Plus |
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OS | iOS 12 | iOS 12 | iOS 12 |
サイズ | 約150.9mm×約75.7mm×約8.3mm | 約138.4mm×約67.3mm×約7.3mm | 約158.4mm×約78.1mm×約7.5mm |
重量 | 約193g | 約148g | 約202g |
ディスプレイ | 約6.1インチ
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約4.7インチ
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約5.5インチ
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CPU | A12 Bionicチップ | A11 Bionicチップ | A11 Bionicチップ |
メモリ | 3GB | 2GB | 3GB |
ストレージ | 64GB/128GB/256GB | 64GB/256GB | 64GB/256GB |
外部ストレージ | なし | なし | なし |
背面カメラ | 12MP | 12MP | デュアル12MPカメラ(広角と望遠) |
前面カメラ | 7MP | 7MP | 7MP |
バッテリー | 2942mAh | 1821mAh | 2691mAh |
ワイヤレス充電 | Qiワイヤレス充電対応 | Qiワイヤレス充電対応 | Qiワイヤレス充電対応 |
ポート | Lightningコネクタ | Lightningコネクタ | Lightningコネクタ |
おサイフケータイ® | ◯ | ◯ | ◯ |
防水 | IEC規格60529にもとづくIP67等級(最大水深1メートルで最大30分間) | IEC規格60529にもとづくIP67等級(最大水深1メートルで最大30分間) | IEC規格60529にもとづくIP67等級(最大水深1メートルで最大30分間) |
センサー |
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価格 | ¥84,800 (税別)~ | ¥67,800 (税別)~ | ¥78,800 (税別)~ |
表でのスペック比較だと、やっぱり最新機種ということもあってiPhone XRに軍配が上がるかと思いきや、並べて見るとそんなに大きく変わらないですね。
最も大きな違いはFace IDかTouch ID
逆に言うとこの位しかあまり差はないようにさえ感じます。
ここにXSシリーズを追加すると比べた際にどうにも中途半端といった印象となってしまいます。
まず、大きさとしてはiPhone XSとiPhone XS Maxの中間でありそこそこ大きい。しかもベゼルレスと謳ってはいるものの、廉価版のため有機ELを不採用とした結果、XSシリーズに比べると太いベゼル。
さらに、シングルカメラということもありデュアルカメラ以上に出べそ化してしまったカメラ。
3D touchには非対応のため、LINEでの既読回避は不可という仕様。
iPhone XSに比べて半分程度のダウンロード速度
採用されているプロセッサはすべて「A12 Bionic」となっていますし、搭載メモリについてもかなり言及されていますがネットワークのスピードがiPhone XS/Maxに比べ半分程度ということも判明しています。
動画の普及やアプリの大容量化など、頻繁なダウンロードが要求される昨今としてはこの違いは大きいような気がしてしまいます。
そして価格面では廉価版の位置付けながらも、最小構成で84,800円(税抜)からという税込90,000円超えの貧乏人お断りの無慈悲な価格帯。
叩きたいわけではないんですが何だか売れる要素がなさそうな気がしてきました。
部品の品質問題も重なりさらに400〜500万台の減産との情報も
ただでさえ、販売不振の噂が報じられる中でさらには品質上の問題もあり更なる減産との情報も入ってきました。
このような事情も重なりiPhone 8/Plusの需要が加速しそうですね。
iPhone 5Cに続く黒歴史の予感
もしかしたらiPhone SEの代わりという立ち位置を期待された商品だったのかもしれませんが、サイズも大きく価格も高いと対局となるモデルに仕上がってしまったのが敗因んような気がします。
そして結果的に、一番最小サイズとなるのがiPhone 8であり価格も引き下げられたことからiPhone SEであった需要がiPhone 8へ流れたといったところでしょうか。※現在iPhone 7も併売しており購入可能ですが、時間の問題と思われます。
たらればの話をするとiPhone XRが5インチ以下のサイズで価格を7万円台からとすればまた違った結果だったのではないでしょうか。
いずれにしても、先日Appleが今後はMacとiPhoneの販売台数の公表はしないと宣言していましたがその影にはiPhone XRの販売不振の影響も少なからずあったことが予想されます。
Appleのデバイスの高価格化、大型化路線は続いていますが個人的にはiPhone XRの価格帯を考えるとスマートフォンとタブレットとデバイスは変わってしまいますが、iPad Proの方が魅力的に映りました。
iPhone XRが値下げ
増産の中止やセールスの不調などネガティブなニュースが続いていましたが、さらにはiPhone XRの値下げも発表されました。
キャリア版のみとはなりますが、NTTドコモでは64GBモデルの場合、支払い総額は2万5920円(税込、新規契約)となっております。
値下げ自体は歓迎すべきことですが、その要因が売れていないからと考えると複雑ですね。
とはいえSIMフリー版も同じように値下げされるのであれば、検討の余地もあるのですがキャリア版は考えていないため私には関係のないニュースではありました。